このページでは、学校法人東北学院に関わる方々(会社・近隣地域住民の方・学校など)を定期的にご紹介していきます。
すでにご存知の方も、まだご存じない方も、こちらをご覧いただいて東北学院との関わりに触れ、新たな一面が見られるようなコーナーにしていきたいと思います。
取材は東北学院大学新聞会にご協力をいただいています。
第4回 奥江呉服店さん
第4回目は、土樋キャンパス最寄りの荒町商店街にある奥江呉服店さんに、2023年度五橋キャンパスが開校することへの思いや、理事長を務められる荒町商店街振興組合についてのお話を伺いました。
新聞会)東北学院大学の学生が奥江呉服店さんを利用する機会が最も多いのは、成人式や卒業式なのでしょうか。
佐藤さん)そうですね。今まで一番利用してもらっているのは、卒業用の袴、それと成人式用の振袖です。
新聞会)通学など日常で本学の学生が近くを通ることも多いと思いますが、どのようなイメージをお持ちですか。

艶やかな振袖が並ぶ店内
佐藤さん)生まれてからずっとここに住んでいて、自分も中高大と学院だったので、東北学院のことは昔から知っています。
以前はキャンパスが六軒丁(土樋)だけだったので、この辺りは東北学院大学の城下町といった感じでした。荒町商店街には30年くらい前までは学院生がいっぱいいました。アルバイトもそうだし、買い物や喫茶店などもみんなこの辺で過ごしていました。また、アパートを経営していた当時は東北学院の子に多く住んでもらっていました。とても身近な存在です。
泉キャンパスができてからは1、2年生はこの辺りが生活圏ではなくなってしまいましたね。多賀城と泉と3キャンパスになってからは少し疎遠になってしまったような気がします。今度五橋キャンパスができれば、前と同じような感じになっていくのかな、と商店街としても2023年の春、期待しています。
それから学院大の学長もおっしゃっていましたが、仙台の中で、東北の中で、総合大学の中で、商店街と大学が密着しているところは他にないんですよ。土樋キャンパス、五橋キャンパスと荒町商店街はくっついてるんです。ですから、新しい意味でもこれからがとても楽しみです。また昔のように大学のお膝元に商店街がある、商店街と一緒に大学がある。そのような状態になって、お互い同じ場所で生活していく形で街を作っていきたいです。
新聞会)奥江呉服店さんは2021年に100周年を迎えられるということでしたが、今後の抱負を教えてください。
佐藤さん)はい。おかげさまで100周年です。佐藤という苗字だとどこにでもいるので、初代が江刺と水沢(今の岩手県奥州市)から出てきたので、奥州江刺出身で「奥江呉服店」と名乗らせてもらったのが始まりです。
時代の変遷はいろいろあります。戦争もあったり、いろいろな天変地異もあったり政治的なこともあったり。そういう中で、呉服繊維業関係をこうして続けていて、レンタルも10年前から始めました。日々変わっていくのは当たり前なので、今度東北学院さんがこちらにくるのも楽しみにしていますよ。地元の人に喜んでもらえる仕事を自分たちで続けていきたいです。
新聞会)次に佐藤さんが理事長を務められている荒町商店街振興組合についていくつかお伺いしていきます。理事長はいつから務められているのですか。
佐藤さん)理事長となったのは2年前からで、役職自体は30年ほど就いています
新聞会)先ほどの本学学生へのイメージをお伺いした際に、町の変化についてお話していただきました。2023年度の五橋キャンパス開校に向けてどのような取り組みをしていきたいと考えていますか。

代表取締役の佐藤隆俊さん
佐藤さん)ちょうど学生課の方とお話していて、「荒町商店街100年プロジェクト」というものがあるのですが、そこで学院大さんいろいろとコラボレーションしていきたいと思っています。
商店街を含めて全部が大学のキャンパスだと思ってもらい、大学側から商店街を題材にして地域の社会見学だとか、レポートを書きたいときに一緒に考えてあげるとか。こういう例題を投げかければこう返ってくるんじゃないかと学生が思っていても、商店街としては少しひねって返そうかと考えています(笑)。今までのある程度決まった質問ばかりしてそれで卒論書こうというんじゃなくて、違った形にして学生を鍛えてやろうと。こちらからも学校・学生にいろいろお願いすることも出てくるかもしれません。面白い刺激を与えられたらと思っています。
あと学生にはぜひ荒町にたくさん遊びにきてもらいたいです。お祭りもやっていますし、みこしを担いでほしいです。荒町サポーターズクラブというものがあるのですが、個人で入れるので、たくさんの人と友達になったりいろいろなことを教わったりしてほしいですね。垣根のない商店街として、学生さんも大学の先生方も、年齢問わず業種問わず荒町に関わってもらいたいです。
岩手・奥州江刺より来仙され、仙台荒町にて長らく学院生と密接に関わってこられたという奥江呉服店の佐藤さん。ご自身も学院大のご出身であり、地域への思い入れも強いと語ってくださいました。
荒町商店街では現在「100 年プロジェクト」を掲げており、学院大とも勉学、買い物等において広く提携していきたいとの意向を示してくださっています。学院大はまもなく五橋キャンパスが開校することで、今後より多くの学生にとって荒町の商店街は身近な存在となります。そんな身近な存在として商店街に足を運んでみて、地域の繋がりを感じてみるのはいかがでしょうか。

奥江呉服店
〒984-0073 宮城県仙台市若林区荒町75
営業時間 10時~18時
定休日 火曜日、水曜日
第3回 ベニーさん
第3回目は東北学院大学土樋キャンパス正門から徒歩1分ほどの場所で、長年営業している喫茶店「ベニー」の店主にお話を伺い、東北学院大学とのご縁について聞かせていただきました。
新聞会)東北学院大学の近くに長年お店を構えるベニーさんには、多くの東北学院大生が来ていたと思うのですが、学生を見続けて感じたことや当時の様子をお聞かせください。

古き良き時代を感じさせる店内
ベニーさん)昔はお店の中が学生さんや大学職員の方でいっぱいになることが多くありました。昔の東北学院大学の学生さんは、遊ぶとなるとこのお店に来て、様々な話で盛り上がりながら仲間が集まるのを待ち、集まったら近くにあった麻雀屋に遊びに出かけるといった様子で、このお店を待ち合わせの場所として使ってくれていました。今は時代が変わったせいか学生さんの様子を見ても、それぞれスマホをみていることが多く、顔を合わせて話すことが少なくなったような気がします。話している様子を見てもお互いのプライバシーを気にして、家族の話や自分の話を控えて話しているような様子が見て取れます。それがいいのか悪いのかわかりませんが、お互いの顔をみて話すようになって欲しいと思います。
新聞会)ありがとうございます。新聞会の活動の中でも気にかけたいと思います。
こちらのお店はいつ頃から営業しているのですか。
ベニーさん)もう50年位前から営業しております。

歴史を感じさせる当時の外観写真
新聞会)内装も昔ながらの雰囲気ですが、創業当時のまま残しているのでしょうか。
ベニーさん)店内は一度か二度作り直しただけで、基本的な作りは変わっていません。そのようにして浮いたお金で、より安くておいしい料理や飲み物を提供できるようにしています。
料理のほかにもコピー機を設置して印刷のサービスを行っていた時代もあります。当時はレポートの締切日前やテストの前日になると東北学院大生が利用するために行列を作っていたこともありました。
新聞会)現役の大学生や教職員にお勧めのメニューなどございましたらぜひ教えてください。
ベニーさん)うちのお店のメニューは全て自信があるのですべてお勧めです!
50年以上もの間、東北学院大学の近くで大学とそこに通う学生を見守りながら営業してきたベニーさんは、東北学院大学を卒業した多くの学生の記憶に残るお店のひとつです。お店の外装や内装を見て学生時代を思い出す人も多くいるのではないでしょうか。現在、東北学院大学に通っている学生や卒業生の皆さんもベニーさんに訪れ、店内の雰囲気から古き良き文化を感じ取ってみてはいかがでしょうか。

ベニー
〒980-0022 宮城県仙台市青葉区五橋2-7-15
TEL 022-266-0394
営業時間 10時~17時
営業日 月曜~金曜(土日祝日休業)
第2回 古山健造さん
第2回目は五橋地区連合町内会会長で、仙台市地域防災リーダーもお務めの古山健造さんにお話を伺いました。この土地や東北学院大学と関係が深い古山さんに、町や学院生について聞かせていただきました。
新聞会)防災の活動はいつからされているのですか。

防災活動について語る古山さん
古山さん)平成21年から活動しています。私が防災リーダーになったのは震災以降の平成24年からで、今もやっています。また、五橋中学校の避難所運営委員会の委員長もやっています。町内会では、松源寺で地域の防災訓練をしていて、平成27年からやって今年で4回目です。東北学院大学の学生さんは去年から参加されるようになりました。
新聞会)五橋にはどのくらい住んでいるのですか。
古山さん)53年くらいかな。東北大学の電子工学科でした。
新聞会)活動を始めたころと比べて、五橋の町並みはどのように変わりましたか。
古山さん)マンションが多くなっていきますね。しかし私たちの町内会ではマンションの方々にも町内会に入るようにお願いして、7~8割には加入してもらっているので、マンションとのバランスがうまく取れていると思います。町並みはビル化してきていますね。
新聞会)東北学院大学との関わりを教えてください。
古山さん)最近、学院さんと連携してやったのが9月17日の敬老食事会です。結構集まってくれて、今年は59名でした。学院からはSWEさんがいらっしゃって、演奏が素晴らしかったです。また、スマホサロンなど、学院さんと連携してやっているのは4つ程あります。去年は学祭のときにフラワーアレンジサロンを出店させてもらい、学生さんとも交流ができました。
新聞会)東北学院大学生のイメージを教えてください。
古山さん)連携している学生さんが素晴らしいと思っています。キリスト教の教学の精神というか、そういうものがあるのではないかと思います。

『五橋地区平成風土記』を見ながら
新聞会)これから五橋地区はさらに変化していくと思いますが、どのような地区になってほしいですか。
古山さん)マンションに自治会組織ができて、できれば連合町内会に入っていただいて、自分たちと連携していろんなことができればいいなと思っています。そして、1番のネックが青葉土樋にお祭りがないということです。他の地区にはあるが、うちだけにないので、大人から子供まで楽しめる何かがあれば良いなと思います。
東北学院大学では、近隣住民の組織体である連合町内会との様々なかたちでも相互協力や、良好な関係を保つために、近隣連合町内会との連絡協議会を開催しています。近隣連合町内会として参加いただいているのは、五橋地区連合町内会の他に、片平地区連合町内会、荒町地区連合町内会があります。
古山さんにお話をお伺いし、町の移り変わりや現状を知ることができました。これから新しく五橋キャンパスができ、さらに町並みは変化していくと思います。古山さんにはこれまでと変わらず、温かく見守っていただければと思っております。
第1回 森重旅館さん
東北学院大学礼拝堂近くの出口から歩いて5分ほどのところに、長年営業している森重旅館があります。
記念すべき第1回目は東北学院大学の近くで長年この旅館の主人として働いてきた森光弘さんに東北学院大学について伺いました。
新聞会)この旅館は東北学院大学にかかわる人でどのような人が利用してきたのですか

ご主人の森光弘さん
森さん)森重旅館は東北学院大学や東北大学などの学生が新入生の歓迎会や卒業生の送別会などを行う際に利用する人が多かったです。利用者の中には県外の学生も多く、東北学院大学の伝統である北海学園大学や青山学院大学との定期戦の際に、多くの学生が宿泊先としても利用してきました。特に応援団や体育会の方の宿泊は多かったです。そのほかにも青東駅伝など大会などの時には宿泊しに来る学生やその関係者は多くいました。

思い出のアルバム
新聞会)どのくらいの数の人が利用してきたのですか
森さん)数えていないのでわかりませんが、昔は50人ほどが団体できて一度に泊まっていました。そのようなお客様の写真を私がこの旅館で働き始めた昭和55年ごろからまとめたアルバムは36冊ほどになりました。わざわざこのアルバムに写っている祖父や父を見るために東京などの遠い場所から来てくれる方もいます。
新聞会)森さんがこの旅館で働き始めたころと比べて東北学院大学の学生が変化したところなどあれば教えてください。
森さん)当時は遊ぶ場所があまりなかったことから学生はこの辺にあった麻雀屋さんやパチンコ屋さんに多く集まっていました。泉や多賀城に校舎がなく、すべての学生が土樋に集まっていたことからよくにぎわっていました。また、当時の学生はうちの旅館でコンパをする際など大騒ぎをしていてとても元気がありました。今の東北学院大学の学生は遊ぶところが多くなったせいかこの辺で遊ぶことがなくなりました。また、今の学生はこの辺で派手に騒ぐことがなくなりましたが、遠慮がちになったような気がします。
学生やその関係者と深い絆を作ってきた東北学院大学をもっともよく知る人物の一人である森光弘さんからお話を伺い、東北学院大学の歴史について触れることができました。東北学院大学の歴史を知りたい方は一度訪ねてみてはいかがでしょうか。

森重旅館
〒980-0022 仙台市青葉区五橋2-10-9
TEL 022-222-5373
URL https://morisigeryokan.jp/